利益を残す現場責任者は、何を見ているのか|現場力の差は、先を見る力に表れる - ニックスジャパン株式会社

利益を残す現場責任者は、何を見ているのか

現場力の差は、先を見る力に表れる

 

建設現場では、同じ人数で作業していても、同じ機械を使っていても、現場によって利益に差が出ます。

一方の現場は、予定どおりに進み、原価も大きく崩れない。
もう一方の現場は、手待ちや手戻りが増え、人工や機械費がかさみ、最後に利益が残らない。

この差は、どこから生まれるのでしょうか。

作業員の能力差だけではありません。
機械の性能差だけでもありません。

 

大きな差を生むのは、現場責任者や現場代理人が、何を見て、どう先を読んでいるかです。

 

利益を残す現場責任者は、今日の作業だけを見ていません。

1週間後の現場。
1か月後の現場。
そして、最終的に完成させる構築物。

 

そこを頭の中に描きながら、今日の段取りを考えています。

 

現場責任者は、今日の作業だけを見ていては足りない

 

現場責任者や現場代理人の仕事は、今日の作業を指示することだけではありません。

もちろん、今日の作業を確実に進めることは大切です。

 

しかし、今日だけを見ていると、現場管理は後手に回ります。

材料が必要になってから手配する。
図面が合わなくなってから確認する。
前工程が終わっていないことに当日気づく。
作業場所が空いていないことに現場で気づく。
協力会社同士の作業が重なってから調整する。

このような状態では、作業員や機械は止まります。

作業員は現場にいる。
機械も入っている。


しかし、施工数量が進まない。

その時間にも、人工、機械費、外注費は発生しています。

 

これが、現場原価を押し上げる原因になります。

 

1週間後、1か月後、最終形を考える

 

私自身、新入社員から3年目くらいまで現場にいたころ、次のように教えられました。

 

「1週間後の現場の姿はどうなっているのか」
「1か月後の現場の姿はどうなっているのか」
「最終的に、どのような構築物を完成させようとしているのか」

これを常に考えながら作業しなさい、という教えです。

 

当時は、現場での心構えのように受け止めていました。

しかし今振り返ると、これは現場管理の本質そのものです。

 

最終的な姿が頭の中にあるから、今日やるべきことが分かります。
1週間後の姿が見えているから、材料や機械の準備ができます。
1か月後の姿が見えているから、工程の山や協力会社間の取り合いが見えてきます。

 

つまり、現場管理とは、目の前の作業を処理することではなく、先の姿から逆算して今日を動かすことです。

 

利益を残す現場責任者は、最終イメージから逆算している

 

利益を残す現場責任者は、契約した構築物や担当作業の最終イメージを頭の中に持っています。

 

最終的に何を完成させるのか。
どの品質で仕上げるのか。
いつまでに完成させるのか。
どの条件の中で施工するのか。
どの原価の中で収めるのか。

 

この最終イメージがあるから、逆算ができます。

施工順序を考える。
必要な材料を考える。
図面や仕様の確認時期を考える。
必要な機械と人員を考える。
作業場所をどう確保するかを考える。
前工程と後工程のつながりを考える。
協力会社間の調整を考える。

 

この逆算が、段取り力になります。

 

段取り力とは、先に整える力である

 

段取り力とは、単に作業の順番を決めることではありません。現場を止めないために、必要な条件を先に整える力です。

 

材料を先に整える。
図面や仕様を先に確認する。
機械を必要な日に合わせる。
作業場所を確保する。
前工程と後工程をつなぐ。
協力会社同士の作業を調整する。
変更や確認事項を早めに処理する。

 

これらが整っていれば、作業員は迷わず動けます。

機械も待たずに使えます。
協力会社も安心して作業に入れます。

 

反対に、これらが整っていなければ、現場は止まります。

手待ち。
材料待ち。
指示待ち。
図面確認待ち。
前工程待ち。
作業場所待ち。
段取り替え待ち。

このような時間が増えれば、現場の稼働率は下がります。

 

現場原価は、稼働率の差から生まれる

 

同じ人数、同じ機械でも、現場によって原価に差が出る理由は、稼働率にあります。

 

10人が1日現場にいた。
機械も1日現場に入っていた。

この条件だけを見ると、どの現場も同じように見えます。

 

しかし、実際には違います。

ある現場では、朝から予定どおり作業に入れます。
材料もそろっている。
図面も確認済み。
作業場所も確保されている。
前工程も終わっている。
機械も必要な時間に使える。

この現場では、人工と機械費が施工数量につながります。

 

一方で、別の現場では、午前中は材料待ち。
午後は前工程待ち。
途中で図面確認。
さらに段取り替えの指示待ち。

この現場でも、人工と機械費は発生しています。

しかし、施工数量は進みません。

 

つまり、現場原価の差は、投入した人や機械の量だけで決まるのではありません。

 

投入した人や機械が、どれだけ成果につながったかで決まります。

 

その成果へのつながりを大きく左右するのが、現場責任者の先を見る力と段取り力です。

 

専門工事業者の現場責任者が見るべきもの

 

専門工事業者の職長や作業責任者は、自社の作業を効率よく進める責任があります。

そのためには、自社の作業員だけを見ていては不十分です。

 

元請の工程はどうなっているか。
前工程は予定どおり終わるか。
自社の作業場所は確保されるか。
材料はいつ搬入されるか。
必要な機械はいつ使えるか。
他業者との取り合いはないか。
自社の遅れが後工程に影響しないか。

これらを先に見ておく必要があります。

 

優秀な職長や作業責任者は、今日の人員配置だけでなく、数日後の作業、必要な材料、機械、元請への確認事項を見ています。

 

だから、手待ちや手戻りを減らすことができます。

 

元請の現場代理人が見るべきもの

 

元請の現場代理人や工事責任者には、さらに広い視点が求められます。

元請は、自社の作業だけでなく、協力会社全体がスムーズに動ける現場をつくる立場です。

 

工程表は現場の実態に合っているか。
協力会社間の作業順序に無理はないか。
作業場所の引き渡しはできるか。
前工程と後工程のすり合わせはできているか。
図面や仕様の未確認事項はないか。
発注者との協議事項は残っていないか。
急な段取り替えで協力会社に負担をかけていないか。

これらを先に見て調整することが、元請の段取り力です。

 

協力会社の作業責任者が優秀でも、元請の段取りが悪ければ、現場全体の生産性は上がりません。

 

元請の現場運営能力は、協力会社の稼働率を左右します。


そして、協力会社の稼働率は、最終的に外注費や現場原価、利益にも影響します。

 

「あの所長の現場なら受けられる」と言われる理由

 

協力会社の間で、次のような話が出ることがあります。

「あの所長の現場なら、この金額で受けられる」
「あの所長の現場なら、少し高く見ないと怖い」

これは、単なる好き嫌いではありません。

 

協力会社は、元請の現場運営能力を見ています。

 

段取りがよい。
工程が読みやすい。
作業場所が確保されている。
手待ちが少ない。
急な変更が少ない。
他業者との調整ができている。
図面や仕様の確認が早い。

このような現場では、協力会社は余分なリスクを見込みすぎずに済みます。

 

反対に、段取りが悪い現場では、協力会社はリスクを見ます。

手待ちが出る。
夜間作業になる。
応援人員が必要になる。
機械が待機する。
急な段取り替えがある。
やり直しが発生する。

そのリスクは、見積金額や外注費に反映されます。

 

つまり、現場責任者の段取り力は、現場の中だけで完結する話ではありません。

 

協力会社の見積、外注費、現場原価、そして利益にもつながっています。

 

利益を残す現場責任者が確認していること

 

利益を残す現場責任者は、次のようなことを常に確認しています。

 

1週間後に必要な材料は手配されているか。
1週間後に必要な図面や仕様は確認されているか。
1週間後に必要な機械は予定されているか。
1週間後の作業場所は確保できるか。
前工程と後工程のすり合わせはできているか。
協力会社間の取り合いは整理されているか。
段取り替えが必要な場合、早めに共有されているか。

 

これは、現場を細かく管理するためではありません。

現場を止めないためです。

現場が止まらなければ、作業員や機械は施工数量を生み出します。
施工数量が進めば、現場原価を抑えやすくなります。
現場原価を抑えられれば、利益が残ります。

 

まとめ:現場力の差は、先を見る力に表れる

 

利益を残す現場責任者は、今日の作業だけを見ていません。

 

1週間後の現場を見ています。
1か月後の現場を見ています。
最終的に完成させる構築物を、頭の中に描いています。

その最終イメージがあるから、施工順序を考えられます。

施工順序が見えるから、材料、図面、機械、人員、作業場所、前後工程を先に整えられます。

先に整えられるから、作業員や機械が止まらずに動けます。

作業員や機械が止まらずに動けるから、稼働率が上がります。

稼働率が上がるから、同じ人工、同じ機械でも施工数量が進みます。

施工数量が進むから、現場原価を抑え、利益を残すことができます。

 

現場責任者の仕事は、目の前の作業を処理することだけではありません。

 

完成形を描き、そこから逆算し、現場が止まらない状態をつくることです。

 

そこに、利益を残す現場責任者の考え方と動き方があります。

 

ニックスジャパンの考え方

 

ニックスジャパンでは、建設業の利益向上は、単に原価を集計することではないと考えています。

重要なのは、現場の動きと経営の数字をつなげることです。

 

作業予定。
工事日報。
施工数量。
人員配置。
機械配置。
工程表。
実行予算。
出来高。
原価。

 

これらを別々に見るのではなく、つなげて見ることで、現場の生産性や原価の変化を早く把握できます。

 

KUROJIKAは、工事日報をもとに、作業員、機械、設備の稼働時間を集計し、月次原価管理や稼働時間一覧につなげるシステムです。

 

e-番割は、作業予定、人員配置、機械配置を見える化し、現場の段取りを支援するシステムです。

 

MIYABIは、実行予算、代価表、発注、出来高、原価、支払管理をつなげ、現場実務と経営判断を支援する建設業向け管理システムです。

 

利益を残すためには、現場を責めるのではなく、現場が止まらず動ける状態をつくることが大切です。

 

現場責任者の先を見る力を、会社全体の仕組みとして支えたい。

 

そのような課題があれば、一度ご相談ください。