弊社出来高調書資料には、知識として理解する入口と、実務で運用する入口があります。
このページでは、出来高調書の基本的な考え方を解説します。
実際の更新作業や運用方法を知りたい方は、出来高調書(実務編) をご覧ください。
出来高調書とは、建設工事において長期にわたる(数ケ月以上)請負契約がある工事(工種)の協力会社に対して、「工事がどれだけ進んだか」を数値化して記録する書類です。
実行予算書で作成された各工種の設計数量に対し、毎月どれだけ施工が進んだかを記録し、金額を算出します。
💡 ポイント
出来高調書は、実行予算書で設定された各工種の設計数量を基に、毎月の施工実績(出来形)を入力し、予算単価を乗じることで出来高金額を算出するための重要な管理資料です。
出来高調書が建設業で重要視される理由は以下の5つです:
出来高調書を作成することで、予算に対する実際の施工進捗率を正確に把握できます。これにより、工事が予定通り進んでいるか、遅延しているかを数値で判断できます。
⚠️ 注意点:一式計上の問題点
予算書で「一式」として計上した場合、金額しか分からないため、具体的な進捗率を把握することができません。可能な限り、設計数量×予算単価で金額を表現することが推奨されます。
建設業では、工事完了前に出来高に応じて代金を請求する「出来高払い」が一般的です。出来高調書は、請求金額の正当性を証明する重要な根拠資料となります。
出来高調書の作成は、以下の5つのステップで進めます。
実行予算書から、工種名、設計数量、単位、予算単価などの基本情報を転記します。
専用システムを使用している場合は、この作業は自動で行われます。
MIYABIでは、実行予算で整理した工種体系をもとに、協力会社別の出来高確認や原価管理につなげることができます。
当月に実際に施工した数量を各工種ごとに入力します。
入力例:
前月までの累計数量に当月の施工数量を加算し、累計施工数量を算出します。
計算式:
累計施工数量 = 前月累計 + 当月施工数量
累計施工数量に予算単価を乗じて、累計出来高金額を算出します。
計算式:
出来高金額 = 累計施工数量 × 予算単価
設計数量に対する累計施工数量の割合(進捗率)を確認し、工事の進行状況を把握します。
計算式:
進捗率(%) = (累計施工数量 ÷ 設計数量) × 100
基本的な計算式
出来高を計算する際の基本的な計算式は以下の通りです:
出来高金額 = 累計施工数量(出来形数量) × 予算単価
進捗率(%) = (累計施工数量 ÷ 設計数量) × 100
具体的な計算例
【例題】土工の出来高計算
前提条件:
施工実績:
計算手順:
Step 1: 累計施工数量を計算
150㎥ + 200㎥ + 100㎥ = 450㎥
Step 2: 累計出来高金額を計算
450㎥ × 3,000円 = 1,350,000円
Step 3: 進捗率を計算
(450㎥ ÷ 500㎥) × 100 = 90%
結果:
当工種は予算1,500,000円に対し、1,350,000円(90%)まで施工が完了している状態です。
工種を「一式」で計上した場合は、数量ではなく金額ベースで出来高を入力します。
【例】仮設工事(一式)の場合
出来高調書作成時によくある間違いとその対策:
精度を高めるポイント
前提条件:
施工実績:
計算手順:
Step 1: 累計施工数量を計算
150㎥ + 200㎥ + 100㎥ = 450㎥
Step 2: 累計出来高金額を計算
450㎥ × 3,000円 = 1,350,000円
Step 3: 進捗率を計算
(450㎥ ÷ 500㎥) × 100 = 90%
結果:
当工種は予算1,500,000円に対し、1,350,000円(90%)まで施工が完了している状態です。
工種を「一式」で計上した場合は、数量ではなく金額ベースで出来高を入力します。
【例】仮設工事(一式)の場合
出来高調書作成時によくある間違いとその対策:
精度を高めるポイント
⚠️ 重要な注意事項
出来高調書は、協力会社との出来高の根拠資料であり、不正確な記載は信頼を損ねるだけでなく、契約上の問題にもなり得ます。必ず実態に即した正確な記載を心がけてください。
Excelなどでの手作業による出来高調書作成には、以下のような課題があります:
システム化のメリット
建設業向けの工事管理システムを活用することで、出来高調書の作成を大幅に効率化できます。
主なメリット:
当社のMIYABIでは、これらの機能を標準搭載しています。
A: 通常、現場代理人または工事責任者が作成します。施工状況を最も正確に把握している立場の人が作成することで、精度の高い出来高調書となります。
A: 一般的には月次で作成・提出します。ただし、契約内容や発注者の要求によっては、週次や特定の節目ごとに提出する場合もあります。
A: まず、なぜ数量が増えたのか原因を分析します。設計変更や追加工事の場合は、発注者と協議の上、予算の変更手続きを行います。施工ミスの場合は、自社負担となる可能性があります。いずれにしても、早期発見・早期対応が重要です。
A: 可能な限り「数量×単価」での計上を推奨します。
理由:
A: 出来高調書は「計画(予算)に対する進捗」を示し、原価管理は「実際にかかったコスト」を管理します。
この2つを対比することで、「予算進捗率に対して原価がどの程度発生しているか」を分析でき、赤字プロジェクトの早期発見や利益管理が可能になります。
詳しくは「原価管理とは?」の記事をご覧ください。
A: 建設業法に基づく書類として、完成後5年間(※10年間を推奨)の保管が必要です。また、税務上の証憑書類(一般的に7年間)としても保管義務があります。
出来高調書は、建設工事の進捗管理と適切な請求管理に欠かせない重要な書類です。
この記事のポイント:
正確な出来高調書の作成により、工事の利益管理と適切な請求業務を実現しましょう。
さらに詳しく知りたい方は、実務編をご覧ください。
ニックスジャパン株式会社
〒111-0042
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