出来高調書を整理したい皆様へ

 

弊社出来高調書資料には、知識として理解する入口と、実務で運用する入口があります。
このページでは、出来高調書の基本的な考え方を解説します。

 

出来高調書をさらに詳しく知りたい方へ


実際の更新作業や運用方法を知りたい方は、出来高調書(実務編) をご覧ください。

1. 出来高調書とは?基礎知識

 

出来高調書とは、建設工事において長期にわたる(数ケ月以上)請負契約がある工事(工種)の協力会社に対して、「工事がどれだけ進んだか」を数値化して記録する書類です。

 

実行予算書で作成された各工種の設計数量に対し、毎月どれだけ施工が進んだかを記録し、金額を算出します。

 

💡 ポイント

 

出来高調書は、実行予算書で設定された各工種の設計数量を基に、毎月の施工実績(出来形)を入力し、予算単価を乗じることで出来高金額を算出するための重要な管理資料です。

 

出来高調書が必要な理由

 

出来高調書が建設業で重要視される理由は以下の5つです:

 

  1. 工事進捗の見える化 - 予算に対してどれだけ工事が進んでいるか把握できる
  2. 適正な請求管理 - 出来高に応じた適切な請求金額を算出できる
  3. 原価管理の精度向上 - 工種別の進捗と原価を対比して分析できる
  4. キャッシュフロー管理 - 毎月の入金予定額を正確に把握できる
  5. プロジェクト管理 - 計画と実績のズレを早期発見できる

2. 出来高調書の2つの重要な役割

 

① 工事進捗状況の把握

 

出来高調書を作成することで、予算に対する実際の施工進捗率を正確に把握できます。これにより、工事が予定通り進んでいるか、遅延しているかを数値で判断できます。

⚠️ 注意点:一式計上の問題点

 

予算書で「一式」として計上した場合、金額しか分からないため、具体的な進捗率を把握することができません。可能な限り、設計数量×予算単価で金額を表現することが推奨されます。

 

② 出来高請求の根拠資料

 

 

建設業では、工事完了前に出来高に応じて代金を請求する「出来高払い」が一般的です。出来高調書は、請求金額の正当性を証明する重要な根拠資料となります。

 

3. 出来高調書の具体的な書き方【5ステップ】

 

出来高調書の作成は、以下の5つのステップで進めます。

 

 

ステップ1: 実行予算書の情報を転記

 

実行予算書から、工種名、設計数量、単位、予算単価などの基本情報を転記します。

 

専用システムを使用している場合は、この作業は自動で行われます。

 

MIYABIでは、実行予算で整理した工種体系をもとに、協力会社別の出来高確認や原価管理につなげることができます。

 

MIYABIのページを見る

 

ステップ2: 当月の施工数量を入力

 

当月に実際に施工した数量を各工種ごとに入力します。

 

入力例: 

  • 土工:100㎥
  • コンクリート:50㎥
  • 鉄筋:2,000kg

ステップ3: 累計施工数量を計算

 

前月までの累計数量に当月の施工数量を加算し、累計施工数量を算出します。

 

計算式:

 

累計施工数量 = 前月累計 + 当月施工数量

 

ステップ4: 出来高金額を計算

 

累計施工数量に予算単価を乗じて、累計出来高金額を算出します。

 

計算式:

 

出来高金額 = 累計施工数量 × 予算単価

 

ステップ5: 進捗率を確認

 

設計数量に対する累計施工数量の割合(進捗率)を確認し、工事の進行状況を把握します。

 

計算式:

 

進捗率(%) = (累計施工数量 ÷ 設計数量) × 100

 

4. 出来高の計算方法【具体例付き】

基本的な計算式

 

出来高を計算する際の基本的な計算式は以下の通りです:

出来高金額 = 累計施工数量(出来形数量) × 予算単価

 

進捗率(%) = (累計施工数量 ÷ 設計数量) × 100

 

具体的な計算例

 

【例題】土工の出来高計算

 

前提条件:

  • 工種:掘削工
  • 設計数量:500㎥
  • 予算単価:3,000円/㎥
  • 予算金額:1,500,000円

施工実績:

  • 1ヶ月目:150㎥施工
  • 2ヶ月目:200㎥施工
  • 3ヶ月目(当月):100㎥施工

計算手順:

 

Step 1: 累計施工数量を計算

 

150㎥ + 200㎥ + 100㎥ = 450㎥

 

Step 2: 累計出来高金額を計算

 

450㎥ × 3,000円 = 1,350,000円

 

Step 3: 進捗率を計算

 

(450㎥ ÷ 500㎥) × 100 = 90%

 

結果:

当工種は予算1,500,000円に対し、1,350,000円(90%)まで施工が完了している状態です。


一式計上の場合

工種を「一式」で計上した場合は、数量ではなく金額ベースで出来高を入力します。

 

【例】仮設工事(一式)の場合

 

  • 前提:仮設工事一式 2,000,000円
  • 当月の施工状況:全体の30%程度完了と判断
  • 入力方法:2,000,000円 × 30% = 600,000円 を当月出来高として入力

出来高調書作成時の注意点

 

よくある間違いと対策

 

出来高調書作成時によくある間違いとその対策:

 

  • 過大計上を避ける - 実際の施工数量より多く計上すると、後で調整が困難になります
  • 単位の確認 - ㎥、㎡、m、tなど単位を間違えないように注意
  • 累計の計算ミス - 前月までの累計に当月分を正しく加算する
  • 設計数量超過の確認 - 累計が設計数量を超えていないか必ずチェック
  • 一式計上は最小限に - 可能な限り数量×単価で表現する

精度を高めるポイント

 

前提条件:

  • 工種:掘削工
  • 設計数量:500㎥
  • 予算単価:3,000円/㎥
  • 予算金額:1,500,000円

施工実績:

  • 1ヶ月目:150㎥施工
  • 2ヶ月目:200㎥施工
  • 3ヶ月目(当月):100㎥施工

計算手順:

 

Step 1: 累計施工数量を計算

150㎥ + 200㎥ + 100㎥ = 450㎥

Step 2: 累計出来高金額を計算

450㎥ × 3,000円 = 1,350,000円

Step 3: 進捗率を計算

(450㎥ ÷ 500㎥) × 100 = 90%

 

結果:

 

 

当工種は予算1,500,000円に対し、1,350,000円(90%)まで施工が完了している状態です。

 

一式計上の場合

 

工種を「一式」で計上した場合は、数量ではなく金額ベースで出来高を入力します。

【例】仮設工事(一式)の場合

 

  • 前提:仮設工事一式 2,000,000円
  • 当月の施工状況:全体の30%程度完了と判断
  • 入力方法:2,000,000円 × 30% = 600,000円 を当月出来高として入力

 

5. 出来高調書作成時の注意点

 

よくある間違いと対策

 

出来高調書作成時によくある間違いとその対策:

 

  • 過大計上を避ける - 実際の施工数量より多く計上すると、後で調整が困難になります
  • 単位の確認 - ㎥、㎡、m、tなど単位を間違えないように注意
  • 累計の計算ミス - 前月までの累計に当月分を正しく加算する
  • 設計数量超過の確認 - 累計が設計数量を超えていないか必ずチェック
  • 一式計上は最小限に - 可能な限り数量×単価で表現する

精度を高めるポイント

⚠️ 重要な注意事項

 

出来高調書は、協力会社との出来高の根拠資料であり、不正確な記載は信頼を損ねるだけでなく、契約上の問題にもなり得ます。必ず実態に即した正確な記載を心がけてください。

 

6. システムによる出来高調書作成の効率化

 

手作業の課題

 

Excelなどでの手作業による出来高調書作成には、以下のような課題があります:

 

  • 予算情報の転記に時間がかかる(毎回手入力)
  • 累計数量の計算ミスが発生しやすい
  • 出来高金額の計算式設定が煩雑
  • 工事が増えると管理が困難に
  • 月次処理に30分〜1時間かかる

システム化のメリット

 

建設業向けの工事管理システムを活用することで、出来高調書の作成を大幅に効率化できます。

 

主なメリット:

  • 予算書との自動連携 - 予算情報が自動的に反映される
  • 入力は施工数量のみ - 当月の施工数量を入力するだけで完成
  • 計算ミスゼロ - すべての計算を自動で行う
  • リアルタイム分析 - 入力と同時に進捗率や原価との対比が可能
  • 過去データの活用 - 前月までのデータが蓄積され、推移分析が容易
  • 作成時間の大幅短縮 - 30分〜1時間 → 5〜10分に短縮

 

当社のMIYABIでは、これらの機能を標準搭載しています。

 

7. よくある質問(FAQ)

Q1. 出来高調書は誰が作成するのですか?

 

A: 通常、現場代理人または工事責任者が作成します。施工状況を最も正確に把握している立場の人が作成することで、精度の高い出来高調書となります。

 

Q2. 出来高調書の提出頻度はどのくらいですか?

 

A: 一般的には月次で作成・提出します。ただし、契約内容や発注者の要求によっては、週次や特定の節目ごとに提出する場合もあります。

 

Q3. 設計数量より実際の施工数量が多くなった場合はどうすればよいですか?

 

A: まず、なぜ数量が増えたのか原因を分析します。設計変更や追加工事の場合は、発注者と協議の上、予算の変更手続きを行います。施工ミスの場合は、自社負担となる可能性があります。いずれにしても、早期発見・早期対応が重要です。

 

Q4. 「一式」計上と「数量×単価」、どちらが良いですか?

 

A: 可能な限り「数量×単価」での計上を推奨します。

 

理由:

  • 進捗率を正確に把握できる
  • 原価との対比分析がしやすい
  • 発注者への説明が明確
  • 将来の見積精度向上にデータとして活用できる

Q5. 出来高調書と原価管理の関係は?

 

A: 出来高調書は「計画(予算)に対する進捗」を示し、原価管理は「実際にかかったコスト」を管理します。

この2つを対比することで、「予算進捗率に対して原価がどの程度発生しているか」を分析でき、赤字プロジェクトの早期発見や利益管理が可能になります。

詳しくは「原価管理とは?」の記事をご覧ください。

 

Q6. 出来高調書の保管期間は?

 

A: 建設業法に基づく書類として、完成後5年間(※10年間を推奨)の保管が必要です。また、税務上の証憑書類(一般的に7年間)としても保管義務があります。

 

 


まとめ

 

出来高調書は、建設工事の進捗管理と適切な請求管理に欠かせない重要な書類です。

 

この記事のポイント:

  • 出来高調書は工事進捗と請求の根拠となる重要書類
  • 5つのステップで作成できる
  • 正確な施工数量の入力が重要
  • 「数量×単価」での計上が推奨
  • システム化により大幅な効率化が可能

 

正確な出来高調書の作成により、工事の利益管理と適切な請求業務を実現しましょう。 


さらに詳しく知りたい方は、実務編をご覧ください。