生産工学における生産性向上|施工能力と人の掛け算で実現する現場改善 - ニックスジャパン株式会社

 

⏱️ この記事で分かること(読了時間:約6分)

 

 

✅ 生産性向上における施工能力と人の能力の関係性
✅ 作業指揮者と作業員の責任の明確な区分方法
✅ 機械能力を100%発揮できない真の原因
✅ 実績歩掛を活用した責任所在の特定方法
✅ 日々の改善サイクルで企業力を高める具体策


 

建設現場における生産性向上は、多くの企業が目指す重要な経営課題です。しかし、その本質を正しく理解し、実践できている企業は決して多くありません。生産工学の理論に基づいた生産性向上の考え方を、建設現場の実務に即して解説します。

 

生産性向上の本質は施工能力と人の掛け算

 

生産工学の世界では、生産性向上を次のように定義しています。

 

生産性 = 施工(機械)能力 × 人の能力

 

この定義は、建設現場における生産性向上を考える上で、極めて重要な示唆を与えてくれます。

 

例えば、ある土工作業を行う際に、より高性能なバックホウを導入することは、明らかに生産性向上につながります。0.7m³級から1.0m³級への機械の大型化は、時間あたりの施工量を直接的に増加させる効果があるでしょう。

しかし、現実の建設現場では、導入した機械が持つ能力を100%発揮できている状況は極めて稀です。むしろ、機械が本来持っている能力の60〜70%程度しか発揮できていない現場が多いのではないでしょうか。

 

 

ここに、生産性向上の大きな余地が隠されています。

 

人の能力が生産性を決定的に左右する

 

機械を使用する人の能力もまた、次のように定義されます。

 

人の能力 = 作業指揮者の能力 × 作業員の能力

 

理想的な状態とは:

  • 作業指揮者が適切な指示を行う
  • その指示に従って作業員が100%の力を発揮する
  • 機械が持つ能力を最大限に引き出せる

 

しかし、このような理想的な状態は、現実にはほとんど存在しないと言っても過言ではありません。

 

責任の所在を明確にする重要性

 

生産性向上を阻害している要因を特定するには、責任の所在を明確にすることが不可欠です。

 

作業員の責任範囲

 

作業員の責任は、極めてシンプルに定義されます。

「指示されたことを実行する」

もし作業員が、指示されたことを実行していなかったとすれば、それは作業員の責任です。しかし、それ以外のすべての事象については、作業指揮者の責任となります。

 

作業指揮者・現場管理者の責任

 

実際の建設現場で発生する生産性低下の要因:

  • 工程間のすり合わせ不足
  • 指示の不徹底
  • 図面の誤りや不備
  • 資材の欠品や納入遅れ
  • 機械の故障や修理待ち
  • 段取りミスによる作業待ち

これらはすべて、作業員の責任ではなく、作業指揮者や現場管理者の責任領域に属する事象です。

 

つまり、施工能力を100%発揮できない責任の多くは、作業員にはなく、作業指揮者および現場管理者にあると言えるでしょう。

 

 

実績歩掛を活用した問題点の特定

 

生産性向上を実現するためには、まず現状を正確に把握する必要があります。そのための最も有効なツールが、実績歩掛の分析です。

 

歩掛分析が明らかにすること

 

実績歩掛を詳細に分析することで、次のような事実が明らかになります:

  • どの作業で計画を下回っているか
  • どの資源(人・機械・材料)に問題があるか
  • どの時点で生産性が低下したか

これらのデータを基に、現場管理者と工事部長が協議することで、問題の本質に迫ることができます。

 

改善につなげる建設的な対話

 

重要なのは、実績歩掛や実績単価を基に「いったいどこに責任があるのか」を検討することです。ただし、ここで言う「責任」とは、誰かを責めるためのものではありません。

 

 

問題点を明確にし、適切な対策を講じることで、次の作業での生産性を向上させることが目的です。

 

現場管理者が自らの段取りや指示の問題点に気づき、改善につなげることが、真の生産性向上への道筋となります。

 

日々の積み重ねが企業の競争力となる

 

生産性向上は、一朝一夕に実現できるものではありません。

 

日々の取り組みサイクル

  • 実績を正確に把握する
  • 問題点を分析する
  • 改善策を実施する
  • 効果を測定し、次につなげる

 

このような地道な取り組みを継続できる企業とそうでない企業との間には、徐々に大きな格差が生まれていきます。

 

生産性向上への真摯な取り組みこそが、企業の競争力の源泉となるのです。

 

システムによる生産性向上の支援

 

弊社の工事日報原価管理システム『KUROJIKAは:

  • 日々の工事日報を簡単に作成
  • 月次稼働時間集計表を自動で作成
  • 現場ごとの稼働時間を正確に把握

さらに、タッチパネル式作業予定システム『e-番割』と連携すれば:

  • 作業予定表を自動的に取り込み
  • そのまま月次稼働時間集計表まで自動作成
  • 二重入力の手間を削減し、業務効率を大幅に向上

また、業務効率化システム『MIYABI』では:

  • 実績データを実行予算や将来予測に活用
  • データに基づいた現場管理を実現
  • 実績情報を基に将来予測を行い、確実に利益につなげる

 

これらのシステムにより、日々の管理業務を効率化し、現場管理者が本来の業務である生産性向上に集中できる環境を提供します。

 

まとめ

 

建設現場の生産性向上のポイント

  • 生産性は施工能力と人の能力の掛け算である
  • 責任の所在を明確にし、改善につなげる
  • 実績歩掛を活用して問題点を特定する
  • 日々の地道な改善サイクルを継続する
  • システムを活用して効率的に管理する

この取り組みが、企業の持続的な競争力の源泉となります。

 

 

📅 次回配信予定

 

2024年11月18日(火)10:00配信予定

 

次回は「生産性を阻害する要因」について、より具体的に掘り下げていきます。現場管理者や作業指揮者の責任範囲を明確にし、朝礼や安全大会、段取りミス、工程間の調整ミスなど、具体的な阻害要因とその対策を解説します。