生産性を阻害する要因|現場管理者の責任範囲を明確にする - ニックスジャパン株式会社

 

⏱️ この記事で分かること(読了時間:約6分)

 

 

✅ 施工能力を100%発揮できない真の原因
✅ 現場管理者と作業指揮者の具体的な責任範囲
✅ 生産性を阻害する6つの主要要因
✅ 実績歩掛と日々損益を活用した改善方法
✅ 事実に基づいた能力向上の具体的アプローチ

 

前回の記事で、生産性向上は施工能力と人の能力の掛け算であることを解説しました。本記事では、その生産性を阻害している要因を具体的に明らかにし、改善につなげる方法を解説します。

 

施工能力を100%発揮できない責任の所在

 

施工(機械)能力を100%発揮できない責任は、作業員(オペレータ)にはほとんどなく、その多くは作業指揮者および現場管理者にあると、生産工学では指摘しています。

 

これは決して現場管理者を責めるための指摘ではありません。問題の本質を正しく理解し、適切な対策を講じることが目的です。

 

作業員が働けない時間

  

作業員が働きたくても働くことができない時間、それが管理者の責任領域です。この視点で現場を見直すと、多くの改善機会が見えてきます。

 

現場所長(責任者)の責任領域

 

現場所長の責任として、主に以下があります:

  • 朝礼の時間管理:必要以上に長引いていないか
  • 安全大会の実施:頻度と時間が適切か
  • 全体工程の調整:工種間の連携がスムーズか

 

これらは現場全体に関わる事項であり、現場所長のマネジメント領域です。朝礼や安全大会は必要不可欠な活動ですが、その実施方法や時間配分については、常に見直しの余地があるでしょう。

 

現場管理者・作業指揮者の責任領域

 

現場管理者および作業指揮者の責任としては、より具体的な作業レベルでの問題があります。

 

6つの主要な阻害要因

 

段取りミス:作業の準備不足による手待ち時間

  • 工程間の調整ミス:前工程と後工程のすり合わせ不足
  • 機械故障への対応遅れ:予防保全の不足
  • 資材の納入遅れ:発注タイミングや在庫管理の問題
  • 指示の不徹底:作業指示が曖昧で作業員が迷う
  • 図面の誤りや不備:事前確認の不足

これらを見ていただくと分かるように、生産性向上を阻害している要因の多くは、現場管理者および作業指揮者の責任領域にあることがご理解いただけるのではないでしょうか。

 

工程間のすり合わせが生む問題

特に工程間のすり合わせ不足は、大きな時間ロスを生みます。

 

例えば:

  • 型枠工事が完了していないのにコンクリート打設の手配をしてしまう
  • 配筋検査の日程調整が遅れて作業が中断する
  • 前工程の仕上がり精度が悪く、次工程で修正が必要になる

 これらはすべて、作業指揮者の段取りと調整によって防げる問題です。

 

指示の不徹底が招く非効率

 

作業指示が不明確だと、作業員は以下のような状況に陥ります:

  • どの材料を使うべきか迷う
  • 施工範囲が曖昧で確認に時間がかかる
  • 施工方法を自己判断して後で手戻りが発生する

 

明確な指示とは、5W1H(いつ、どこで、誰が、何を、なぜ、どのように)が明らかになっている状態です。

 

適切な指示を出すための3つのステップ

 

それでは、現場管理者および作業指揮者が適切な指示を出すためには、どうしたら良いのでしょうか。

 

ステップ1:事実を把握する

 

まず、客観的な事実を把握することが必要です。そのために重要な指標が:

  • 実績歩掛
  • 実績単価
  • 日々損益

これらのデータを正確に把握することで、どこに問題があるのかが明確になります。

 

ステップ2:責任を納得させる

 

事実を基にして、管理者自身にその責任を納得させることが重要です。

「あなたのせいだ」と責めるのではなく、「このデータから見ると、この部分に改善の余地がありますね」という建設的な対話が必要です。

 

ステップ3:能力を向上させる

 

問題点が明確になったら、具体的な改善策を検討します。

 

この実績歩掛、実績単価、日々損益を把握し、上位の管理者(工事部長等)と協議し、より良い対策を講じることが重要でしょう。

 

日々の改善サイクルを回す

 

生産性向上は一度の取り組みで完結するものではありません。

 

PDCAサイクルの実践

  • Plan(計画):実績データから問題点を特定し、改善策を立案
  • Do(実行):改善策を現場で実施
  • Check(確認):実績歩掛で効果を測定
  • Act(改善):結果を次の計画に反映

このサイクルを日々回すことで、継続的かつ構造的な改善が実現します。

 

工事部長との協議の重要性

 

現場管理者だけで解決できない問題もあります。そのような場合は、工事部長と協議し、会社としての支援を得ることが必要です。

例えば:

 

協力会社の変更が必要な場合

  • 施工方法の抜本的な見直しが必要な場合
  • 追加の機材投入が必要な場合

システムによる日々の管理支援

 

日々の実績歩掛、実績単価、日々損益を把握することは容易ではありません。

弊社の工事日報原価管理システム『KUROJIKA』は:

  • 工数入力だけで日々の損益を自動計算
  • 作業ごとの進捗と原価を可視化
  • 問題のある作業を早期に発見

タッチパネル式作業予定システム『e-番割』と連携すれば:

  • 作業予定と実績を自動で照合
  • 計画との差異を即座に把握
  • 月次稼働時間集計表まで自動作成

実行予算・原価管理システム『MIYABI』では:

  • 実績データを将来予測に活用
  • 最終損益見込みをリアルタイムで更新
  • 早期の軌道修正を可能にする

 

これらのシステムにより、現場管理者は本来の業務である「現場の改善」に集中できる環境が整います。

 

まとめ

 

生産性を阻害する要因の多くは、現場管理者と作業指揮者の責任領域にあります。

 

重要なポイント

  • 作業員が働けない時間を最小化する
  • 段取り、調整、指示を徹底する
  • 実績歩掛と日々損益で事実を把握する
  • 事実に基づいて建設的に改善する
  • 日々のPDCAサイクルを回し続ける

 

この取り組みが、現場管理者の能力向上と、企業全体の生産性向上、そして、コストに強い企業風土につながります。

 

📅 次回配信予定

 

2024年11月20日(木)10:00配信予定

 

次回は「原価意識を高める」をテーマに、日々の計数管理の重要性と、社員の原価意識を向上させる具体的な方法を解説します。数字で話をすることの重要性と、日々損益を把握することで組織全体の意識がどう変わるかをお伝えします。