⏱️ この記事で分かること(読了時間:約7分)
✅ 社員の原価意識が低い真の原因
✅ 数字で話をすることの具体的な実践方法
✅ 日報から日々損益を把握する4つのステップ
✅ コンピュータと人の役割分担の考え方
✅ 日々の計数管理が企業格差を生むメカニズム
「原価意識が低い」という経営者の悩み
「社員の原価意識が低い」という言葉は、経営者や工事部長からよく耳にします。
しかし、それではどのようにすれば原価意識を高められるのか、明確な答えを持っている方は少ないように思われます。
精神論だけでは意識は変わりません。「もっとコストを意識しろ」と叱責しても、具体的にどう行動すれば良いのか分からなければ、社員は動きようがないのです。
原価意識とは何か
そもそも原価意識とは何でしょうか。それは:
- 今日の作業にいくらかかったか把握できる
- その原価が予算に対して妥当か判断できる
- 問題があれば明日の作業で改善できる
この3つができる状態を指します。
数字で話をすることに尽きる
原価意識を高めるためには、やはり数字で話をすることに尽きるのではないでしょうか。
抽象的な議論ではなく、具体的な数字を基にした対話が必要です。
日々のやりとりが意識を変える
- 「昨日の出来高はどのくらいだったのか」
- 「それに対して原価はいくらかかったのか」
- 「今日はどこを改善すべきか」
このような日々のやりとりが、次第に原価意識を向上させていくことになります。
最初は面倒に感じるかもしれません。しかし、この習慣が定着すると、数字で考えることが当たり前になります。
日報から作業ごとの損益を把握する4ステップ
それでは、具体的にどのように日々の損益を把握すればよいのでしょうか。
ステップ1:投入工数を把握する
まず、日報から作業ごとに投入工数を把握します。
- 作業A:作業員3人、機械1台、各8時間
- 作業B:作業員2人、各7時間
- 作業C:機械2台、各6時間
このように、どの作業にどれだけの資源を投入したのかを明確にします。
ステップ2:資源単価を乗じる
次に、各々の資源単価を乗じます。
例えば:
- 作業員:1日あたり18,000円
- 機械(0.7m³級バックホー):1日あたり35,000円
- 機械(4tダンプ):1日あたり28,000円
投入工数に資源単価を掛けることで、各資源の原価が算出されます。
ステップ3:作業ごとの総原価を算出
各資源原価の合計が、その作業の総原価となります。
作業Aの例:
- 作業員原価:18,000円 × 3人 = 54,000円
- 機械原価:35,000円 × 1台 = 35,000円
- 総原価:89,000円
ステップ4:出来高と比較して損益を見る
最後に、出来高と比較することにより、作業ごとの損益を見ます。
作業Aの例:
- 総原価:89,000円
- 出来高:100,000円
- 損益:+11,000円(黒字)
一方、作業Bで:
- 総原価:65,000円
- 出来高:50,000円
- 損益:-15,000円(赤字)
このように、どの作業が利益を生み、どの作業が赤字なのかが明確になります。
工程表との進捗状況も金額で把握する
作業ごとの損益だけでなく、工程表との進捗状況も金額によって把握することが必要です。
予定と実績の金額対比
- 今週の予定出来高:500万円
- 実際の出来高:450万円
- 進捗率:90%
金額で把握することで、工程の遅れが経営にどの程度の影響を与えるのかが分かります。
「まだ90%しか進んでいないから、来週は挽回が必要だ」という具体的な判断ができるようになります。
日々の地道な積み重ねが意識を変える
これらの計数管理を日々確実に行い、日々どこに問題があったか反省し、翌日には検討された改善案を実施する。
この日々の地道な積み重ねによって、原価意識を高めることが可能となってきます。
改善のサイクル
- 夕方:今日の作業の損益を確認
- 夕方~夜:問題点を分析し、改善策を検討
- 翌朝:朝礼で改善策を指示
- 日中:改善策を実施
- 夕方:効果を確認
このサイクルを毎日回すことで、現場は確実に良くなっていきます。
全員が数字で語れる組織
理想的な状態は、現場代理人だけでなく、作業員も含めて全員が数字で語れることです。
「今日の○○工事、予算より2万円安く収まりましたね」
「明日は△△工事で3万円の利益目標です」
このような会話が日常的に交わされる現場は、必ず利益を生みます。
見出し:コンピュータと人の役割分担
これからの時代は、単純(計算)作業はコンピュータに任せ、人はその判断に時間を使う。
言い古された言葉のようですが、実際には実行されていないのではないでしょうか。
従来の問題点
多くの現場では:
- 計算に時間がかかりすぎる
- 集計ミスが発生する
- 分析まで手が回らない
- 結果的に判断が遅れる
このような状況では、せっかくデータを取っても活用できません。
理想的な役割分担
コンピュータが行うこと:
- 工数データの集計
- 資源単価の計算
- 出来高と原価の対比
- 各種グラフの作成
人が行うこと:
- データの読み解き
- 問題点の特定
- 改善策の立案
- 実行の指示
人は付加価値の高い業務に集中すべきです。
実行するかしないかで企業格差が拡大する
この日々の計数管理を実行するかしないかで、企業の格差が拡大することでしょう。
格差が生まれるメカニズム
計数管理を実施している企業:
- 問題を早期に発見できる
- 改善のPDCAが速く回る
- ノウハウが蓄積される
- 実績歩掛が精緻になる
- 見積精度が向上する
- 受注競争力が高まる
計数管理を実施していない企業:
- 問題発見が遅れる
- 改善が場当たり的
- ノウハウが属人的
- 見積が勘と経験頼み
- 受注しても利益が出ない
この差は、1日では小さくても、1年、3年、5年と積み重なると決定的な差になります。
システムによる計数管理の自動化
日々の計数管理を工数の入力のみで実現できるのが、弊社システムです。
- 工数入力だけで工事日報を自動作成
- 作業ごとの出来高・原価・損益を自動計算
- 月次稼働時間集計表を自動生成
- 現場別工事原価一覧を自動出力
計算と集計は全てシステムが行います。現場管理者は、その結果を見て判断するだけです。
タッチパネル式作業予定システム『e-番割』と連携すれば:
- 作業予定表からデータを自動取込
- 工数入力すら不要に
- さらなる業務効率化を実現
実行予算・原価管理システム『MIYABI』と組み合わせると:
- 日々の実績が自動的に予算と対比される
- 最終損益見込みがリアルタイムで更新
- 工程表の進捗も金額で可視化
これらのシステムにより、「計算はコンピュータ、判断は人」という理想的な役割分担が実現します。
まとめ
原価意識を高めるには、具体的な数字で話をすることが不可欠です。
重要なポイント:
- 日報から作業ごとの投入工数を把握する
- 資源単価を乗じて総原価を算出する
- 出来高と比較して損益を見る
- 日々の地道な積み重ねが意識を変える
- コンピュータと人の役割を明確に分ける
- 実行するかしないかで企業格差が生まれる
この取り組みが、社員の原価意識向上と、企業の競争力強化につながります。
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📅 次回配信予定
2024年11月25日(火)10:00配信予定
次回は「ある優良企業との話」をテーマに、業界トップクラスの利益率を上げる企業の実践事例をご紹介します。年間10万件の工事を個別予算管理し、徹底した計数管理を行う企業の秘訣と、その管理の差が企業格差を生むメカニズムを解説します。

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