⏱️ この記事で分かること(読了時間:約6分)
✅ 業界トップクラスの利益率を実現する企業の特徴
✅ 年間10万件を個別予算管理する具体的な方法
✅ 「管理が大変だから簡略化したい」という誘惑の危険性
✅ 苦労を続けることで得られる競争優位性
✅ 明確な数字・根拠が価格交渉力を高めるメカニズム
業界有数の利益率を上げる企業との出会い
先日、道路建設業大手の部長さんとお話しさせていただく機会がありました。
その会社は、業界でも有数の利益率を上げている会社です。お話を伺ううちに「なるほどな。これでは、他の会社は追随できないな」と思いました。
利益率の高さには理由がある
利益率が高い企業には、必ず理由があります。それは偶然ではなく、日々の地道な取り組みの積み重ねの結果です。
この企業の場合、その理由は明確でした。
徹底した計数管理へのこだわり
その企業の特徴は、徹底して歩掛、実績単価、そして計数管理にこだわっていることでした。
年間10万件の個別予算管理
驚くべきことに、工事件数が年間10万件あり、受注金額に関わらず、個別の予算を作成し、自社の歩掛によって評価しているのです。
- 大規模工事も小規模工事も同じ基準で管理
- 受注金額の大小に関わらず個別予算を作成
- 自社で蓄積した歩掛データで評価
私も我が意を得たりという感動すら覚えました。
なぜ個別予算管理が重要なのか
多くの企業では、小規模工事は「まとめて管理」したり、「予算管理の対象外」としたりしています。
しかし、この企業は違いました。
- 小規模工事の積み重ねが、大きな利益になる
- 全ての工事を同じ基準で管理することで、比較分析が可能になる
- 歩掛データが蓄積され、精度が向上する
「管理が大変だから簡略化したい」という誘惑
ところが、話が進むうちに、部長から意外な言葉が出ました。
「うちの会社も管理が大変だから、よそと同じように下請けから見積もり比較だけしようかなと思っているんだが・・・」
相談というほどではありませんでしたが、そのような意見を出されたのです。
多くの企業が陥る罠
これは、多くの企業が陥りやすい罠です。
- 管理に手間がかかる
- 人手が足りない
- もっと効率的な方法があるのではないか
そう考えて、管理を簡略化してしまう企業は少なくありません。
見積比較だけの管理とは
「下請けから見積もり比較だけ」という管理は、具体的には:
- 複数の下請けから見積もりを取る
- 一番安い見積もりを採用する
- 自社では詳細な原価を把握しない
この方法は確かに手間がかかりません。しかし、これでは本当の意味での原価管理ではないのです。
「そんなことをやったら、他の会社と同じになってしまいます」
私は、すかさず答えました。
「そんなことをやったら、他の会社と同じになってしまいますよ」
差別化の源泉を失う危険性
見積比較だけの管理に切り替えると:
- 自社の歩掛データが蓄積されなくなる
- 適正価格の判断基準を失う
- 下請けの言い値に振り回される
- 結果として、利益率が低下する
せっかく築き上げた競争優位性を、自ら手放すことになります。
苦労を続けることで差別化ができている
さらに私は続けました。
「苦労をしながら管理をしているから、他社との差別化ができているんですよ」
管理の手間は投資である
管理にかかる手間は、コストではなく投資です。
- 今日の管理の手間が、明日の精度向上につながる
- 精度の高い歩掛データが、的確な見積もりを可能にする
- 的確な見積もりが、適正利益の確保につながる
この循環を止めてしまえば、競争優位性は失われます。
他社が追随できない理由
なぜ他社が追随できないのか。それは、この苦労を継続することが難しいからです。
- 短期的には効果が見えにくい
- 日々の業務に追われて後回しにされる
- 経営層の理解が得られにくい
しかし、この企業は継続してきた。だから差別化ができているのです。
明確な数字と根拠が厳しい交渉を可能にする
そして、私はこう締めくくりました。
「社員が自信を持って下請けと厳しい価格競争ができるのは、自分たちが明確な数字、根拠を持っているから厳しい交渉ができるのですよ」
根拠のない交渉の限界
根拠なく「もっと安くしろ」と言っても:
- 下請けは納得しない
- 無理な値下げは品質低下を招く
- 信頼関係が損なわれる
これでは、持続的な関係を築くことができません。
根拠に基づく交渉の強さ
一方、明確な根拠を持っていれば:
- 「この作業の適正単価は○○円です」と言える
- 「過去の実績から、この歩掛で施工可能です」と示せる
- 下請けも納得の上で価格を決められる
これが、真の価格交渉力です。
社員の自信にもつながる
明確な数字と根拠を持つことで、社員にも自信が生まれます。
- 自分たちの判断が正しいという確信
- 交渉に臨む際の心理的な余裕
- 結果として、より良い条件を引き出せる
管理の差が企業の格差を裏打ちする
いかがでしょうか。この管理の差が、企業の格差を裏打ちしていると言って良いのではないでしょうか。
利益率の差は偶然ではない
業界トップクラスの利益率は、偶然の産物ではありません。
- 日々の地道な計数管理
- 歩掛データの継続的な蓄積
- 明確な根拠に基づく価格交渉
これらの積み重ねが、競合他社との差を生み出しています。
「苦労」を「仕組み」に変える
ただし、苦労は続けるだけでは疲弊してしまいます。
大切なのは、苦労を「仕組み」に変えることです。システムを活用して効率化しながら、管理の質は落とさない。これが持続可能な競争優位性の源泉です。
システムによる計数管理の効率化
弊社システムは、社員の原価意識を高めるための資料を効率よく提供するシステムです。
実行予算・原価管理システム『MIYABI』では:
- 全工事の予算・出来高・原価を一元管理
- 工種別・作業別の損益を自動計算
- 自社歩掛データを蓄積・活用
- 過去の実績を見積作成に活用
工事日報原価管理システム『KUROJIKA』では:
- 日々の工数入力から原価を自動集計
- 作業ごとの実績歩掛を自動計算
- 現場別・作業別の比較分析が可能
タッチパネル式作業予定システム『e-番割』と連携すれば:
- 作業予定から工数データを自動取込
- 入力の手間を大幅に削減
- 管理の質を落とさず効率化を実現
これらのシステムにより、「苦労」を「仕組み」に変え、持続可能な競争優位性を構築できます。
まとめ
業界トップクラスの利益率を実現する企業は、徹底した計数管理を継続しています。
重要なポイント:
- 年間10万件でも個別に予算管理する徹底ぶり
- 「管理が大変だから簡略化」の誘惑に負けない
- 苦労を続けることで他社との差別化を実現
- 明確な数字と根拠が価格交渉力を高める
- 管理の差が企業格差を裏打ちする
この取り組みが、持続的な競争優位性の源泉となります。
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カテゴリ: 原価管理
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