工事原価管理の原点①|日々の損益把握がすべての出発点-ニックスジャパン株式会社

 

⏱️ この記事で分かること(読了時間:約6分)

 

✅ 工事原価管理の原点とは何か

✅ 日々の損益把握に必要な2つの入力項目

✅ 実績原価を活用した最終損益予測の方法

✅ 歩掛情報による原価管理の実践

✅ PDCAサイクルを確実に回すための仕組み

 

専門工事業における工事原価管理の原点とは

 

工事原価管理の原点は、日々の作業において赤字を出していないか、工事が順調に進捗しているのかを把握することにあります。

しかしながら、この原点、基本を忠実に管理している企業は意外なほど少ないのが現状です。

多くの現場では、月次の原価報告で初めて損益状況を確認し、問題が発覚したときには既に手遅れというケースが後を絶ちません。

 

専門工事業における工事原価管理の本質は、原価管理を緻密に行い、問題が大きくなる前に察知し、早期に対策を講じることです。そのためには、日々の段階で損益状況を把握する仕組みが不可欠となります。

 

日々の損益把握に必要な2つの入力

 

日々の損益を把握するために必要な入力は、実はシンプルです。

 

1. 各作業の資源投入量

 

工事日報から、各作業に投入した資源(労務、機械、材料など)の工数を入力します。

  • 誰が何時間作業したのか
  • どの機械を何時間使用したのか
  • どの材料をどれだけ使用したのか

 

これらの情報が原価計算の基礎となります。

 

2. 出来形数量

 

その日に完了した施工数量を入力します。

この出来形数量と実行予算の単価を掛け合わせることで、出来高金額が算出されます。

 

この2つの入力により、各作業ごとの出来高および原価を把握し、損益状況を確認することができます。入力項目は多くありませんが、毎日継続することが重要です。

 

実績単価による最終損益予測

 

日々のデータが蓄積されると、分析情報として各作業ごとの実績単価を把握できるようになります。

実績単価とは、実際に施工した結果として算出される単価です。

  • 実行予算で設定した予定単価と比較する
  • 計画どおりに進んでいるか確認する
  • 予算をオーバーしている作業を特定する

 

この実績単価を活用すれば、将来の最終損益予測が可能となります。

 

最終損益予測の具体的な方法

 

残りの施工数量に実績単価を乗じることで、工事完了時点での原価を予測できます。

たとえば、ある作業の実績単価が予定単価の1.2倍で推移している場合、残りの施工でも同様の傾向が続くと仮定すれば、最終的にどれだけの赤字が発生するかを事前に把握できます。

 

この予測に基づいて、早めに対策を講じることが可能となるのです。

 

歩掛情報を活用した実行予算・工程管理

 

実績データからは、各資源の歩掛情報も収集できます。

 

歩掛とは、単位施工量あたりの資源投入量のことです。たとえば「1㎡あたり0.5人工」という形で表されます。

 

歩掛情報から得られるメリット

 

実績の歩掛を把握することで得られるメリットは以下のとおりです。

  • 当初の予算書・工程表が現実的であったか検証できる
  • 作業効率の良し悪しを数値で確認できる
  • 予算書・工程表を実際の現状に即した形に修正できる

もし実績の歩掛が計画よりも大きい(作業効率が悪い)場合、予算書・工程表の見直しが必要です。

 

いち早く、この予算と原価の乖離を見つけることが、赤字を最小にとどめ、黒字転換を促すことにつながるのです。

 

マネジメントサイクル(PDCA)を回す仕組み

 

これらの入力と分析を可能であれば、日々行うことによって、確実にPDCAの管理サイクルが回ることになります。

  • P(Plan):施工計画に基づく実行予算と工程表で計画を立てる
  • D(Do):計画に基づいて施工を実施する
  • C(Check):日々の出来高・原価・損益を確認し、計画との差異を分析する
  • A(Action):問題点を的確に抽出し、対応策を講じる

このサイクルを日単位で回すことで、問題の早期発見と迅速な対応が可能となります。

 

月次でしかサイクルを回さない企業と、日次で回している企業では、問題への対応スピードに大きな差が生まれます。

 

工事日報原価管理システム「KUROJIKA」のご紹介

 

ニックスジャパンが提供する工事日報原価管理システム「KUROJIKA」は、上記の作業を効率的に支援します。

弊社『e-番割』を利用することによって、出面帳の作成、転記を排除します。毎日の出面情報を自動的に「KUROJIKA」に取り込み、集計作業を効率化します。また、月次の稼働時間集計をすべて自動で行います。

  • 工事日報の自動作成
  • 月次稼働時間集計表の自動作成
  • 各作業における資源毎(作業員、機械、材料)の数量把握
  • 有休休暇取得状況及び振替休日・振替出勤の勤怠管理

日々の入力負担を最小限に抑えながら、稼働時間の集計作業、日々原価の管理から、現場管理者を開放します。

 

これにより、現場代理人は、日々の集計作業から解放され、本来注力すべき改善活動に時間を使えるようになります。

 

[関連記事]

 

次回予告

 

配信予定日:2025年12月11日(木)

テーマ  :工事管理の原点②

次回は「工事管理の原点②」として、KKD(カン・経験・度胸)に頼る管理の限界と、明確な根拠に基づく工事管理の重要性について解説します。

 

日々の損益を金額で答えられる仕組みを持っているか、工程表の根拠を歩掛から説明できるか——これらの問いに向き合います。