⏱️ この記事で分かること(読了時間:約5分)
✅ 工事日報は始まりであり終わりではない理由
✅ 実作業管理で把握すべき3つの情報
✅元請企業が陥りがちな管理放棄の問題
✅ブラックボックス化から脱却する方法
工事原価管理の本質とは
工事原価管理とは、端的に言って「実際の作業を管理する」ということです。
この実際の作業の中に、コストダウンの可能性があり、工期短縮の要素があります。現場改善の糸口は、すべて実作業の中に隠されているのです。
しかしながら、この実作業を確実に日々管理している現場はどれほどあるでしょうか。
「工事日報を作成している」というのは、工事管理をしていることの始まりであり、終わりではありません。日報を書くことがゴールではなく、そこから分析し、改善につなげてこそ、はじめて管理と呼べるのです。
工事日報は始まりであり終わりではない
多くの現場で工事日報が作成されています。しかし、その日報がどのように活用されているでしょうか。
単なる記録として保管されているだけでは、日報の本来の価値を発揮できていません。工事日報には「実際の作業を管理する」ための情報がすべて盛り込まれています。
問題は、その情報を分析し、改善につなげるプロセスが欠落していることです。
日報を書いて終わり——この状態では、せっかくの情報が死蔵されているに過ぎません。日報作成は管理のスタートラインであり、そこからの分析と改善こそが本当の工事管理なのです。
工事原価管理で把握すべき3つの情報
実作業を適切に管理するためには、以下の3つの情報を把握することが不可欠です。
1. 作業別の原価把握
どの作業に、いくら原価がかかっているのか。この基本的な情報を日々把握できているでしょうか。
作業ごとの原価が分からなければ、どこに問題があるのか特定することができません。全体の原価だけを見ていては、改善の打ち手が見えてこないのです。
2. 作業別の損益状況
各作業が儲かっているのか、あるいは損をしているのか。この損益状況をリアルタイムで把握することが重要です。
赤字の作業を放置すれば、損失は日々拡大していきます。早期に発見し、対策を講じることで、損失の最小化が可能となります。
3. 歩掛に基づく完了予測
作業ごとの工事進捗を確実に把握し、終了日を歩掛を基に予測しているでしょうか。
実績の歩掛から残作業量を計算すれば、現実的な工程予測が可能となります。楽観的な予測ではなく、データに基づく予測を行うことで、工期遅延のリスクを事前に察知できます。
元請企業が陥りがちな管理放棄
多くの元請企業では、現場の管理を実作業のレベルで終結して、現場の工数管理を放棄しています。
「実際の作業は下請の責任であり、自分たちの領域ではない」
このような誤った考え方が、業界に根付いています。
しかし、これでは実作業の分析を自らブラックボックスの中に放り込んでいるのと同じです。管理すべき対象を見えなくしてしまえば、問題が発生しても対処のしようがありません。
下請任せにするということは、管理放棄をしていると言っても過言ではないでしょう。
ブラックボックス化がもたらす弊害
実作業をブラックボックス化すると、以下のような問題が発生します。
問題の発見が遅れる
作業レベルでの原価・進捗を把握していなければ、問題が表面化するのは工事の後半になってからです。その時点では、すでに手遅れというケースが少なくありません。
改善の打ち手がない
何が問題なのか分からなければ、改善策を講じることができません。「なんとなく赤字」という状態では、具体的なアクションにつながりません。
ノウハウが蓄積しない
実作業のデータを収集・分析していなければ、歩掛や実績単価といったノウハウが蓄積されません。次の工事に活かせる知見が得られないのです。
原価管理を実現するシステム活用
ニックスジャパンが提供する工事日報原価管理システム「KUROJIKA」は、上記の作業を効率的に支援します。
弊社『e-番割』を利用することによって、出面帳の作成、転記を排除します。毎日の出面情報を自動的に「KUROJIKA」に取り込み、集計作業を効率化します。また、月次の稼働時間集計をすべて自動で行います。
- 工事日報の自動作成
- 月次稼働時間集計表の自動作成
- 各作業における資源毎(作業員、機械、材料)の数量把握
- 有休休暇取得状況及び振替休日・振替出勤の勤怠管理
日々の入力負担を最小限に抑えながら、稼働時間の集計作業、日々原価の管理から、現場管理者を開放します。
これにより、現場代理人は、日々の集計作業から解放され、本来注力すべき改善活動に時間を使えるようになります。
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- 実績単価と歩掛の重要性|コストダウンを実現する2つの指標
次回予告
次回は「工事原価管理の基本④」として、建設業に「生産管理部門」がない問題について解説します。製造業では当たり前のように存在する生産管理部門が、なぜ建設業には存在しないのか。重層下請構造と需要供給の関係から、その根本原因を掘り下げます。

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