コストダウンを達成する組織づくり|評価できる体制の構築 - ニックスジャパン株式会社

 

⏱️ この記事で分かること(読了時間:約6分)

 

 

✅ コストダウンを実践するために必要な3つの要素
✅ 効果的な組織構造と「10人の法則」
✅ 統括責任者に求められる力量
✅ 生産工学の知識を組織に活かす方法

 

コストダウンを実践する3つの要素

 

前回の記事で、コストダウンを達成するためには強い意識が最も重要であることをお伝えしました。しかし、意識だけでは不十分です。

 

コストダウンを実践するためには、以下の3つの要素が不可欠です。

 

評価できる組織

 

まず、コストダウンを評価できる組織が必要です。

誰がどれだけコストダウンに貢献したのか、逆に誰が赤字を出しているのか。これを正しく評価できる組織体制がなければ、コストダウンへの意欲は生まれません。

 

評価されないところに、努力は生まれないのです。

 

しくみ

 

次に、コストダウンを推進するしくみが必要です。

日々の原価を把握し、問題を早期に発見し、改善活動を継続的に行うためのしくみ。これがなければ、いくら意識があっても行動に移せません。

 

しくみについては、次回の記事で詳しく解説します。

 

モニタリングシステム

 

そして、常にコストを詳細にモニタリングするシステムが必要です。

現場の状況をリアルタイムに把握し、問題が発生したらすぐに察知できる。そのためには、ITシステムの活用が欠かせません。

 

この3つが揃って初めて、コストダウンを組織的に実践できる環境が整います。

 

効果的な組織構造

 

それでは、コストダウンを実践するための効果的な組織構造とは、どのようなものでしょうか。

 

一人の責任者に最大10人

 

大企業は別として、現場責任者を無理なく統括する組織構造になっているでしょうか。

一人の責任者に何人の部下を持たせているでしょうか。軍隊では、一人の長に最大10人で構成するそうです。兵隊10人のグループで小隊、小隊長10人のグループを中隊というように構成していきます。

そう考えた場合、責任者は10人までの部下でないと、一人ひとりの行動を把握できないということです。

 

現場代理人を10人以上抱えている工事課長がいるとすれば、それは組織として無理があります。把握しきれない部下がいれば、そこから赤字が発生する可能性が高まります。

 

軍隊に学ぶ組織の黄金律

 

この「10人の法則」は、軍隊が長い歴史の中で見出した組織の黄金律です。

建設業においても、この原則は当てはまります。工事課長が把握できる現場代理人は最大10人。それ以上になるならば、組織を分けるか、中間管理職を置く必要があります。

 

組織の階層を適切に設計し、各責任者が無理なく部下を把握できる体制を構築することが、コストダウンの第一歩となります。

 

責任者に求められる力量

 

組織構造を整えたとしても、そのグループを率いる責任者の力量が伴わなければ、コストダウンは達成できません。

 

コスト意識・原価意識

 

特に重要な点は、コスト意識・原価意識が高い人が、現場代理人を統括する長に就いているかどうかです。

数字に弱い人、原価に無頓着な人が工事課長や工事部長になっていては、部下のコストダウン意識は育ちません。

 

社員は、統括している上長を超えて成長していくことは稀であると捉えた方がよいでしょう。上長のレベルが、部下の成長の天井となってしまうのです。

 

論理的な問題追求能力

 

さらに、論理的に問題点を追求できる能力が求められます。

「なんとなく赤字になった」ではなく、「どの作業で、なぜ、いくら赤字が発生したのか」を論理的に分析し、原因を特定できる能力です。

感覚や経験だけでなく、数字に基づいて問題点を追求し、改善策を立案できる人材が、統括責任者には必要です。

 

そういう社員が責任者としていない場合には、社長自ら教育していくか、あるいは外部の教育機関に依頼する必要があるでしょう。

 

生産工学の知識を活かす

 

コストダウンを組織的に推進するためには、生産工学(IE:Industrial Engineering)の知識が欠かせません。

 

稼働・非稼働の定義

 

生産工学では、作業を「稼働」と「非稼働」に分類します。

稼働とは、製品を作り込むために加工している作業です。非稼働とは、稼働以外のすべてを指します。

建設業で言えば、実際に構造物を作り上げている作業が稼働であり、材料を運搬している時間、指示を待っている時間、段取りをしている時間は非稼働となります。

 

この定義を理解することで、「どこに無駄があるのか」が見えてきます。

 

稼働率測定の手法

 

生産工学には、現場の稼働率を測定するための手法があります。

ワークサンプリングという手法で現場の個々の作業(人、機械)の稼働率を計測すると、良くて70%、平均すると概ね50〜60%という結果が出ています。

 

つまり、1日8時間のうち、実際に付加価値を生んでいる作業は4〜5時間程度ということです。残りの時間に、コストダウンの余地が隠されています。

 

作業効率化の技法

 

生産工学には、作業を効率化するための様々な技法があります。

以前の記事でご紹介したECRS(排除・結合・再構成・簡素化)もその一つです。これらの技法を組織的に活用することで、現場改善を継続的に推進できます。

 

生産工学の知識を持った人材を組織内に育成し、その知識を全社に展開していくことが、コストダウンを達成する組織づくりの要となります。

 

ニックスジャパンのコンサルティングと「MIYABI」

 

ニックスジャパンでは、コストダウンを達成する組織づくりを支援するコンサルティングサービスを提供しています。

 

コンサルティングサービス

 

弊社のコンサルティングでは、以下の支援を行います。

  • 現状の組織体制の診断
  • 適切な組織構造の設計支援
  • 責任者向けの原価管理教育
  • 生産工学に基づく現場改善指導

 

生産工学(IE)およびプロジェクトマネジメント(PM)の手法を用いて、現場から経営トップに至るまでのマネジメントシステムの効率化を支援します。

 

実行予算管理システム「MIYABI」

 

コストダウンをモニタリングするシステムとして、実行予算管理システム「MIYABI」をご提供しています。

MIYABIは、月次原価情報をリアルタイムに把握し、問題現場を早期に発見するための分析機能を備えています。組織の各階層が必要な情報にアクセスでき、数字に基づいた議論が可能となります。

 

組織づくりとシステム導入を一体で支援できることが、ニックスジャパンの強みです。

 

次回予告

 

次回は「コストダウンを達成するしくみ」として、「見てあげる」管理体制を解説します。

 

ホーソン実験が教えるように、人は「見られている」という意識があると生産性が向上します。日々の管理、月次工事会議、完成工事報告会という3段階の管理体制により、着工から完工まで「見てあげる」しくみを構築する方法をお伝えします。