コストダウンを達成するしくみ|「見てあげる」管理体制 - ニックスジャパン株式会社

 

⏱️ この記事で分かること(読了時間:約7分)

 

 

✅ ホーソン実験が教える「見られる意識」の効果

✅ 「見てあげる」3段階の管理体制の構築方法

✅ 問題発見と教育の場を同時に創出する方法

✅ しくみを支えるシステムの活用法

 

ホーソン実験が教える「見られる意識」の効果

 

現場でのコストダウンにとって、必要不可欠なものは何でしょうか。

 

それは、ホーソン実験でも明らかなように、人の「見られている」という意識です。

 

照明実験の結果

 

ホーソン実験をご存じでしょうか。生産工学を学んだことのある方であれば、誰でも知っているくらい有名な話です。

かいつまんで説明すると、作業環境と生産性の関係を調査しようと、多くの研究者がホーソン工場で実験を行いました。照明実験において、最初は暗くしておき、徐々に明るくすると、生産性は予想通り上がっていきました。

確認が取れたため、逆に照明を暗くすれば生産性は落ちるだろうと予測しましたが、意に反して、生産性は上がる一方でした。何度実験を繰り返しても、同じ結果でした。

 

よく調べた結果分かったことは、作業環境に関係なく、作業員たちは「見られている」という意識が働き、生産性が向上したのです。

 

見られている意識と生産性向上

 

この実験が物語っているのは、人は見られていると感じると、自然と努力するようになるということです。

建設現場において、工事監督者はきちんと現場を見てあげているでしょうか。収支の状況を考えつつ、無理のない段取りをしているでしょうか。

また、工事部長は、現場が赤字になりそうなタイミングで、適切にフォローしているでしょうか。

 

誰しも常に見られていれば、良い結果を出そうと努力するものです。この原理を活用することが、コストダウンを達成するしくみの根幹となります。

 

「見てあげる」3段階の管理体制

 

それでは、「見てあげる」しくみを具体的にどう構築すればよいのでしょうか。

 

私は、日々の管理、月次工事会議、完成工事報告会という3段階の管理体制を提唱しています。

 

日々の管理:工事状況の報告と問題抽出

 

まず、現場代理人が現場の工事状況を日々、決められた様式に記載し報告します。

工事課長(部長)は、その前日の工事結果の情報をつぶさに検討し、問題のある現場を抽出します。さらに、現場のどの作業に問題があるのか、送られてきた情報から類推します。

そこで現場代理人に連絡を取り、問題点を尋ねます。その回答如何により、現場指導するか否かを決定します。

 

工事課長(部長)が現場に赴くことにより、エキスパートとしての段取りが現場に浸透し、損失を未然に防ぐことができます。それよりも重要なのは、損失を未然に防ぐことができる教育の場を創出できていることです。

 

月次工事会議:収支状況と原因分析

 

次に、月次工事会議を開催します。

この月次工事会議では、全現場での月次での収支状況および問題点とその原因を、データを基に議論します。

 

ここでも現場代理人全員が正しく評価されていることを意識させることが重要です。「自分の現場は見られている」「自分の努力は評価されている」という意識が、さらなるコストダウンへの意欲を生み出します。

 

完成工事報告会:実績分析と人事考課

 

最後に、工事終了後に完成工事報告会を開催します。

工事結果の報告を収支報告だけではなく、実績の単価や歩掛等を含め、分析を踏まえ、次につなげることを目的とします。

 

この結果が正しく人事考課に反映されることも重要な要素です。逆に言うと、工事課長(部長)にとっては、各現場代理人の評価データの一部がここで得られることも利点となります。

 

問題発見と教育の場の創出

 

「見てあげる」しくみには、単にコストダウンを達成するだけでなく、もう一つ重要な効果があります。

 

損失を未然に防ぐ

 

常に「見てあげている」ということが分かれば、人は一生懸命に努力するものです。

また、そのようなしくみがあれば、重大なミスにもいち早く気づくことができ、大きな損失を生む前に未然に防ぐことができます。会社としても大きなダメージを受けることはないのです。

 

赤字が膨らんでから気づくのではなく、赤字の芽が出た段階で発見し、対処する。これが「見てあげる」しくみの真価です。

 

エキスパートの段取りを現場に浸透

 

さらに重要なのは、教育の場が創出されることです。

問題が発生した直後に、工事課長や部長といったエキスパートが現場に入り、適切な段取りを指導する。これは、最も効果的なOJT(On the Job Training)となります。

問題が発生してから時間が経った後に指導しても、現場代理人には実感が湧きません。しかし、問題が目の前で起きているタイミングで指導すれば、その教訓は深く刻まれます。

 

「見てあげる」しくみは、コストダウンと人材育成を同時に実現するしくみなのです。

 

しくみを支えるシステム

 

「見てあげる」しくみを効果的に運用するためには、それを支えるシステムが必要です。

 

KUROJIKAによる日々の情報収集

 

日々の管理を支えるのが、工事日報原価管理システム「KUROJIKA」です。

KUROJIKAは、工事日報を入力するだけで、現場別稼働時間一覧表、出勤簿、現場別工事原価一覧表を自動で出力します。

 

現場代理人は日々の作業状況を入力するだけで、工事課長・部長は必要な情報をタイムリーに把握できます。「見てあげる」ための情報基盤となります。

 

MIYABIによる月次分析

 

月次工事会議や完成工事報告会を支えるのが、実行予算管理システム「MIYABI」です。

MIYABIは、予算・出来高・原価を対比し、工事の進捗状況と損益状況を分析します。EVMグラフにより、問題現場を一目で発見できます。

 

月次工事会議では、MIYABIの分析資料を基に議論することで、感覚ではなくデータに基づいた建設的な議論が可能となります。

 

ニックスジャパンのご支援

 

ニックスジャパンでは、「見てあげる」管理体制の構築を支援しています。

 

コンサルティングサービス

 

弊社のコンサルティングでは、以下の支援を行います。

  • 日々の報告様式の設計
  • 月次工事会議の運営方法の指導
  • 完成工事報告会のフォーマット作成
  • 管理者向けの「見方・読み方」教育

 

しくみを作るだけでなく、それを運用できる人材を育成することが重要です。

 

システム導入支援

 

KUROJIKAMIYABIの導入により、「見てあげる」しくみを効率的に運用できます。

システムがあれば、工事課長・部長は現場に行かなくても、日々の状況を把握できます。問題がある現場だけに集中して対応することで、限られた時間を有効に活用できます。

 

しくみとシステムを一体で導入することで、コストダウンを確実に達成できる体制が整います。

 

次回予告

 

次回は「コストダウンを達成するシステム」として、情報共有化とコミュニケーションを解説します。

 

これからの工事管理システムにおいて重要なのは、情報の共有化です。スタンドアロン型では本社・支店・営業所で何が起きているか分かりません。必要な情報が必要な時に必要な人に流れていること——これがコミュニケーションの本質です。システムが組織をどう変えるのか、詳しくお伝えします。