工事責任者の取り組み姿勢|PDCAサイクルを回す日々の実践 - ニックスジャパン株式会社

 

⏱️ この記事で分かること(読了時間:約7分)

 

 

✅ 工事責任者に求められるPDCAサイクルの実践方法
✅ 実行予算を「コンパス(羅針盤)」として活用する考え方
✅ 工事責任者の一日の具体的な動き方
✅ 日々のプロセスが人を育てる理由

 

工事責任者に求められるPDCAの実践

 

工事責任者のみならず、すべての管理者に言えることですが、P(計画)D(実行)C(差異分析)A(アクション)の管理サイクルを意識して行動しているかが重要です。

 

P(計画):実行予算と施工計画

 

まずは、計画ありきです。

建設業の現場管理の根幹をなすものは、実行予算です。十分に検討を加えられた施工計画があり、その施工計画を基に作成された実行予算があれば、現場管理業務全体の半分以上は達成されたと言っても過言ではないでしょう。

 

施工計画と実行予算の作成段階で、あらゆる条件から想定される障害を取り除き、最も効率的な施工方法と最小のコストを追求します。この過程を何度も経ることにより、工事責任者の頭の中で数多くのシミュレーションが実行され、工事の目標達成のイメージが確定していきます。

 

D(実行):生産性向上の施策

 

次に、その計画を基に実行することです。

実行の段階では、生産工学の理論に基づき、最短の動線を確保するなど、サイクルタイムの短縮等の生産性向上の施策が必要になってきます。

 

計画通りに進めることが基本ですが、現場は生き物です。状況に応じて柔軟に対応しながらも、目標を見失わないことが重要です。

 

C(差異分析):日々の分析

 

そして、計画と実行の差を分析することです。

この分析は、日々行うことに意味があります。なぜならば、ご承知の通り、現場は生き物であり、刻々と変化していくからです。

 

週単位や月単位の分析では、問題に気づいた時にはすでに手遅れになっていることが多いのです。日々の分析によって、問題の芽を早期に発見することが求められます。

 

A(アクション):修正計画と実行

 

最後に、分析結果を基に修正計画を立て、実行し、当初予定を確保するよう努力することが求められます。

 

問題が見つかったら、翌日の段取りで対応する。この迅速なアクションが、損失を最小限に抑える鍵となります。

 

実行予算は現場のコンパス

 

現場管理において重要なことは、航海に出るにあたって、コンパス(羅針盤)を用意していることです。

 

目標を見失わない羅針盤

 

コンパスがあれば、夜だって嵐の日だって、目標を見間違えることはありません。

建設業経営において、このコンパスにあたるのが、実行予算であり、実行予算と連動した工程表です。

 

実行予算という明確な目標があるからこそ、日々の作業が正しい方向に向かっているかを判断できます。実行予算なしに現場を運営することは、コンパスなしに航海に出るようなものです。

 

工程表との連動

 

実行予算は、工程表と連動していなければなりません。

工程表によって、いつまでにどの作業を完了させるかが明確になります。そして実行予算によって、その作業にいくらかけられるかが明確になります。

 

この2つが連動することで、「いつまでに」「いくらで」という目標が具体化され、日々の管理が可能となります。

 

工事責任者の一日

 

それでは、上記の考えを踏まえ、工事責任者の朝礼からの動きについて、検討を加えていきましょう。

 

前日分析結果に基づく段取り

 

前日に出てきた分析結果を基に、当日の段取りが決定しているでしょうか。

 

日別損益計算書で、前日どの作業が利益を出し、どの作業が損失を出したのかを確認します。損失を出している作業があれば、その原因を究明し、当日の段取りに反映させます。

 

注意すべき作業の意識化

 

また、注意しなければならない作業は、明確に意識化されているでしょうか。

要は、日々いかに赤字を出さないか、あるいは、いかに実行予算を死守するかということにつきます。その想いなくして、利益の確保はあり得ないでしょう。

 

常に問題作業に立ち向かい、最大限の努力を図ること——それが求められます。

 

日別損益計算書の確認

 

結果として、一日の出来高とそれに費やした原価が把握されます。

日々の分析として、以下のことには取り組む必要があるでしょう。

 

まず、日別損益計算書で現場全体として利益があったのかなかったのか、またどの作業がプラスかマイナスか判断することが求められます。

 

最終損益見込書による予測

 

次に、この状態が続くと最終的に工事が終わった段階で利益になるのかどうか、最終損益見込書を基に睨みながら計画を修正することです。

 

このように現場では、日々の現場経営において、今日の損益と最終の損益の両面を考慮しつつ、明日の段取りを考えることになるでしょう。

 

日々のプロセスが人を育てる

 

「日々の損益を確認し、翌日の段取りを考える」——この地道な作業の繰り返しが、実は最も重要な人材育成の場となります。

 

利益を重視するプロセス

 

こういう日々の利益を重視するプロセスを経て、人は育成されていきます。

数字を見て、問題を発見し、対策を考え、実行する。このサイクルを毎日繰り返すことで、工事責任者としての判断力と実行力が磨かれていきます。

 

エキスパートと新人の差は、この繰り返し作業の経験の多寡です。新人に施工計画と実行予算の作成をさせなければ、新人の成長を求めることは無理であり、コストダウンの達成など有り得ない話です。

 

企業の格差を生む要因

 

この日々のたゆまぬ努力があってこそ、コストダウンが達成されます。

そして、このような日々の管理を徹底している企業と、そうでない企業との間には、大きな格差が生まれます。

 

一見地味に見える日々の管理の積み重ねが、企業の競争力の源泉となるのです。

 

KUROJIKAとMIYABIによる日々管理の支援

 

ニックスジャパンでは、工事責任者の日々の管理を支援するシステムを提供しています。

 

KUROJIKAによる工事日報管理

 

工事日報原価管理システム「KUROJIKA」は、日々の作業状況を簡単に入力できます。

 

工数の入力のみで、工事日報の作成と計数管理資料をアウトプットします。現場責任者は、入力作業に時間をかけることなく、分析と判断に時間を使うことができます。

 

MIYABIによる損益分析

 

実行予算管理システム「MIYABI」は、日別損益計算書と最終損益見込書を自動で作成します。

 

工事責任者は、これらの資料を基に、素早い意思決定を行うことができます。「昨日の1円の損失は、今日取り戻す」——この姿勢を支えるのが、MIYABIの分析機能です。

 

次回予告

 

次回は「工事部門長の取り組み」として、問題現場の早期発見と支援について解説します。

 

工事部門長の最大の責務は、現場の最前線に対する支援です。「ほとんどわかっている」は「ほとんどわかっていない」に通じます。日々の原価情報をリアルタイムに作業レベルで分析できることが求められる時代です。EVMグラフによる監視と、問題現場への迅速な対応方法を詳しくお伝えします。