⏱️ この記事で分かること(読了時間:約5分)
✅ 人材育成における「気づき」の重要性と、気づきを促す環境の作り方
✅ 自責と他責の違い。結果を自分の問題として受け止める姿勢の大切さ
✅ これからのOJTとは何か。問題発生時点での即座の指導が持つ意味
✅ 「怒る」と「叱る」の違いを生む決定的な要素
✅ 日々の数字把握が原価意識を高めるメカニズム
はじめに
人を育てることは、企業経営における永遠の課題です。特に建設業においては、現場での経験を通じて技術や判断力を身につけていく必要があり、人材育成には長い時間がかかります。
しかし、これからの時代において悠長なことは許されません。一人ひとりが短期間で養成され、戦力として求められる時代です。
では、どうすれば効果的に人を育てることができるのでしょうか。その答えは「気づき」にあります。本人が問題であると認識しない限り、修正は困難です。今回は、気づきを促す環境づくりと、原価意識を高める人材育成の要諦について解説します。
「気づき」なくして成長なし
人を育てるために最も重要なこと。それは、本人自身が問題に気づくことです。周囲がいくら指摘しても、本人に気づきがなければ、また同じ過ちを繰り返してしまいます。
本人が認識しない限り修正できない
最近、「気づき」ということが気になっています。
その人自身の癖や習性も、周りから見ると良くないものであっても、本人に注意しても治らない。本人が問題であると認識しない限り、本人が修正しない。同様に、仕事において赤字を垂れ流している人も、周りが注意しても、本人に本当の気づきがないと、また同じ過ちを繰り返してしまう。これが人間の性であると思います。
それでは、この問題に対する対応はどのようにすればよいのでしょうか。私は、気づくことができるような環境を作ることから始めなければならないと思います。
気づきを促す環境づくり
その環境を作って、手を変え、品を変え、本人に気づくまで対応する。これしかないと思います。
現場管理においては、自分の行った管理の結果を毎日数字で把握する。そういう環境づくりが必須でしょう。
自分の行った段取りで、原価がいくらかかったのか、儲かったのか損したのか、実績単価はいくらになったのか、歩掛りはどうなったのか。そういう指標を日々検討することによってのみ、気づきが訪れてくると思います。
現場では悠長なことはやってられませんから、赤字になりそうなときには手を打つわけですが、そうでない場合は、本人の段取りのまずさを自分で気づく。これが一番大切な人を育てる要諦であり、間違いのない方法であると思います。
自責と他責の違い
結果に対する姿勢には2種類あります。「他責」は全てを他人のせいにする姿勢。「自責」は全ての結果を自分の問題として受け止める姿勢。この違いが、成長の分かれ目となります。
他責:他人のせいにする姿勢
自責と他責。これは、私が20代終盤の頃、あるセミナーに参加して教わったキーワードです。教わった時には、なるほどと膝を打ったのですが、現在その通り実行できたかというと、残念ながらそうではないでしょう。
まず、他責とは、全ての起こった良くない事象を自分のせいではなく、他人のせいにすることです。
赤字になったのは、工事が遅れたのは、自分の問題ではない。自分は悪くない。悪いのはあの作業員が仕事をサボるからだ、言ったとおりにやらないからだ、と他人のせいにすること。どこかでよく聞くフレーズかもしれないですね。
自責:結果を自分の問題として受け止める
自責とは、全ての結果を自分の問題であると受け止めることです。
こういう結果が出てきたのは、自分の指示ミスがあったからだ、段取りにつまずきがあったかもしれないと、素直に自分の行動を反省すること。
さぁ、皆さんはどちらのパターンで行動しているでしょうか。
実績結果である工事の進捗状況および損益状況のみならず、段取り結果である各歩掛り、実績単価を日々分析し、これら各種指標を基に工事部長と工事担当者が問題点の改善に取り組むこと。それが求められています。
これからのOJTとは
従来のOJTは、新人を現場に放り込んで間違いを繰り返しながら成長させるものでした。しかし、これからの時代にそんな悠長なことは許されません。問題発生時点での即座の指導こそが、真のOJTです。
問題発生時点での即座の指導
OJTとは、字のごとくオンザジョブトレーニングですから現場での実践教育ですね。この言葉の通り、新人を現場に放り込んで体験させる。極端に言って、この事をOJTと勘違いしている人がいるのではないでしょうか。
従来のような現場教育では、新人は今までのように現場で間違いを繰り返しながら成長していくことしかできないのではないでしょうか。
私は、これからの時代において、こんな悠長なことは許されず、一人ひとりが短期養成され、まさしく戦力として求められる時代だと考えています。
そのためには、人を育てるOJTでなければならないでしょう。人を育てるということは気づきがなければなりません。間違いを起こした後で怒鳴っても、相手には何故怒られているのか、その理由すら分からないことがままあります。それが、問題を起こした直後であれば、修正作業を目の当たりにして、知識が無くとも学ぶことができる訳です。
損失の最小化と教育の両立
このように、これからのOJTは、問題が発生した時点を素早くキャッチし、そこで直接エキスパートが指導を行うことにより、損失の最小化と教育が同時に可能となってきます。
この事を実践するためには、どの現場のどの作業がどういう状態にあるのか、現場を常に監視する管理になっていないといけません。
「怒る」と「叱る」のタイミング
怒ると叱るの違いは何でしょうか。私は、その違いは相手の感覚次第であり、最も重要なのは「タイミング」だと考えています。問題発生直後の指導は、感謝の気持ちさえ生み出すのです。
問題発生直後の指導効果
よく怒ると叱るは違うと言いますが、最近私は同じではないかと思うようになってきました。
怒るも叱るも相手のことが気になって、そして相手のことを思って発言している訳であり、そこにどれだけの感情のエネルギーが込められているかの違いのような気がします。
それよりも問題なのは、間違っても注意しない、相手のことに関心がない、一見人が良さそうに見える上司が最悪だと思います。
さて、それでは怒ると叱るの違いを分析してみたいと思います。その違いは、相手の感覚次第ではないでしょうか。同じ事を言われたとしても、怒られていると感じるのか、叱られていると感じるのかの違いです。
この人はこれだけ私のことを思って言っていただいているのか、それとも、何だいつも怒鳴ってばかりいやがってと反発するかの違いでしょう。
感謝の気持ちを生む指導
その違いを生む大きな要素は、タイミングだと言えます。
例えば、工事が終わってから工事のミスについて怒鳴っても反発を生むだけですし、相手はいつも同じミスをしている訳ですから何を言われているのか通じません。
ところが、工事中に問題が生じた時点で同様のことを言われると、目の前で起きているミスですから、何を言われているのか分かる訳です。そうなれば、怒鳴っていても、相手には受け止めることができるし、ここまで私のことを思ってくれるんだという感謝の気持ちさえ起きてくるものです。
これからは、怒るタイミングをよく観察してから行動に移すようにしましょう!
KUROJIKAによる工数把握の効率化
気づきを促すためには、自分の行った管理の結果を毎日数字で把握できる環境が不可欠です。KUROJIKAは、日々の損益状況を作業単位で管理し、原価意識を高める環境づくりを支援します。
弊社の工事日報原価管理システム「KUROJIKA」は、工数把握の効率化により人材育成の基盤づくりを支援しています。
KUROJIKAの最大の特徴は、作業予定表(番割)の作成から稼働時間集計までを一気通貫で行えることです。日々の作業が終了した時点で稼働時間を入力すると、この情報がKUROJIKAに自動的に取り込まれ、任意の時点での稼働時間集計表を自動作成します。
今までエクセル等に入力していた手間が一掃され、現場責任者の工事資料作成の手間を大幅に削減できます。
この稼働時間集計は、歩掛算出の元情報となります。各責任者がこの情報を基に歩掛を算出し、自分の段取りの良し悪しを客観的に評価することができます。数字を見ることで問題に気づき、改善につなげていく。これが原価意識を高める第一歩です。
また、月次での工事単位の原価管理機能も備えており、工事全体の収支状況を把握することができます。
また、工事部長(幹部)レベルでは、全ての現場の損益状況を監視でき、問題現場への迅速な支援が可能となります。
手作業では困難な日々の数字把握を自動化することで、気づきを促す環境を構築し、原価意識の高い人材を育成することができます。
まとめ
人材育成において最も重要なのは「気づき」を促す環境づくりです。
本人が問題であると認識しない限り、修正は困難です。自責の姿勢で結果を受け止め、日々の数字を通じて自分の段取りの良し悪しを把握する。これからのOJTは、問題発生時点での即座の指導により、損失の最小化と教育を同時に実現するものでなければなりません。
怒ると叱るの違いを生むのはタイミングです。問題発生直後の指導は、反発ではなく感謝の気持ちを生み出します。
そのためには、どの現場のどの作業がどういう状態にあるのかを常に把握できる仕組みが必要です。日々の数字把握を通じて気づきを促し、原価意識の高い人材を育てていく。これが、これからの建設業に求められる人材育成の姿です。
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次回予告
次回は「これからの工事管理システム|リアルタイム情報共有の実現」について、従来の月次管理から日々管理への転換と、システムの将来像を展望します。

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